生活習慣病とは、日々の生活習慣が身体に悪影響を及ぼして発症する病気の事です。がん(悪性新生物)や循環器疾患(心疾患・脳血管疾患)糖尿病などをいいます。不規則な食生活やストレス、喫煙、運動不足などが続くことで生活習慣病は確実に近づいてきます。
生活習慣病とは?
生活習慣病の原因
日本人の死亡原因の2/3が生活習慣病で亡くなっており、特に三大疾病と呼ばれている「がん」「急性心筋梗塞」「脳卒中」で死亡する割合は約55%にものぼります。これらは普段の生活習慣が原因で病気が発症したり進行すると考えられており、偏った食生活や運動不足、ストレス、過剰な飲酒や喫煙など毎日の積み重ねによって引き起こされます。困ったことに自覚症状がなく、長い長い年月を経てから病状が現れるのも特徴です。
メタボリック症候群
「メタボ」とは、メタボリック(Metabolic=代謝)とシンドローム(Syndrome=症候群)の略で、内臓肥満に高血糖・高血圧・脂質異常症の3つのうち2つ以上に該当する状態をいいます。特に中高年の男性に多く、2人に1人はメタボリック症候群の予備群といわれています。
メタボリック症候群の主な原因として高カロリー・高脂肪の食品・食事の普及や日頃の運動不足などが挙げられます。これが継続することで必要以上の内臓脂肪が蓄積され、代謝に異常が生じる場合があります。
メタボリック症候群は自覚症状が乏しく、この状態を長期間にわたって放置することで動脈硬化が進み、心臓病や脳卒中といった怖い病気を招く恐れがあります。常に自分の身体の状態を把握し、メタボリック症候群を未然に防ぐ努力をしましょう。
メタボリック症候群の診断基準は次の二つになります。
- へその高さの腹囲が男性で85cm以上、女性で90cm以上
- 高血糖・高血圧・脂質異常症の3つの項目のうち、2つ以上が該当する場合
血糖……空腹時血糖値が110mg/dl以上
血圧……最高血圧が130mmHg以上、最低血圧が85mmHg以上のいずれかまたは両方
中性脂肪……中性脂肪が150mg/dl以上、HDLコレステロールが40mg/dl未満のいずれかまたは両方
早期発見が最良の治療です
特定健康診査(特定健診)は、内臓脂肪型肥満に着目した、生活習慣病予防のための保健指導を必要とする人を選び出すための健診です。健診項目には、内臓脂肪の蓄積状態をみるために腹囲の計測が追加されるなど、特定保健指導の対象者を的確に抽出するための検査項目が導入されます。
対象者は40歳以上75歳未満の加入者で、被保険者だけでなく被扶養者も対象となります。
特定健診の結果をもとに、内臓脂肪蓄積の程度とリスク要因の数に着目して、リスクの高さに応じて、レベル別(「動機付け支援」・「積極的支援」)に特定保健指導の対象者の選定を行います(階層化という)。
なお、特定健診を受けた人には、全員に健診結果に基づいて一人ひとりにあった「情報提供」が、結果の通知と同時に行われます。
【検査項目】
- 問診(既往歴、服薬歴、喫煙歴など)
- 身体計測(身長・体重〔BMI〕・腹囲)
- 理学的所見(身体診察など)
- 血圧測定
- 脂質検査(中性脂肪・HDLコレステロール・LDLコレステロール)
- 血糖検査(空腹時血糖値またはHbA1c)
- 肝機能検査(AST〔GOT〕・ALT〔GPT〕・γ-GTP)
- 尿検査(尿糖・尿蛋白)
※医師が必要と判断した場合の「詳細な健診項目」として、
- 心電図検査
- 眼底検査
- 貧血検査(赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット)